あれはバブル真っ盛りの頃でした。
日本中の景気が良く、高収入でラクなアルバイトもたくさんありました。
しかし高収入とは言っても、専門技術がなけれだ時給1500円程度です。
そんな時代に、高収入のアルバイト 求人の募集を見つけたのは新聞の折り込み広告でした。
なんとなく怪しいとは思いつつも、その給料と待遇に、そのとき無職だった私はとびつきました。
アルバイトの内容は、とある教材の売り込みです。
色々な人の家に立ち寄って、小学生向けの教材を年間契約で取り付けます。
一件につき、報酬が10万円のノルマ制。基本給もありましたが、こちらは微々たるものです。
面接で10万円と聞いたとき、正直、かなり驚きました。さらに、多くのノルマをこなすとその給料もどんどんあがっていくとのことです。
面接を無事にパスした私は、翌日から先輩と一緒にいろいろなところを訪ねてまわることになりました。
しかし、そもそもそんなに簡単に契約が取れるはずもなく、何日かを無為に過ごします。
そのうちに、どんどん居心地が悪くなっていきます。
それでも、月に3回でも取れれば30万円(といっても、先輩と一緒について行っているので、私は一件につき1万円です。とりあえず5件ほどノルマをこなしたら、独り立ちさせてくれるということでした)ですからと契約が取れなくても頑張りました。
そんなある日、先輩が「おまえの友達とか親戚とかで、教材を買ってくれるような人はいないか」と尋ねてきました。
少し考えて「いません」と答えたのですが、その日から、先輩はことあるごとにそういうことを言うようになり、また最初に面接をしてくれた「代表」も仕事が終わったあとで、保険にしたって車にしたって、営業はまず自分の家族や親戚に買ってもらうものだとかなんとか......。
なんとなく、これは良くないなと思った私は、アルバイト生活で最短、一ヶ月でやめました。
結局、ノルマはこなせなかったわけですから、お給料もなし。
自分が女性だったらデリヘルは福岡などもあるのですが...いやはやうまい話はなかなかころがっているものではないようです。